ベルサイユ製麺

クレイジー・リッチ!のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)
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“中国が目覚める時、世界は震撼する”
ーナポレオン・ボナパルト

冒頭の引用!…いやぁ、中国地方出身としては嬉しくないでもないですね。まあ、お魚はまあまあ美味しいですよ?

…ほんとは地元を憎んで飛び出したのですけどね♪

公開時大変な評判だった今作ですが、…あんまり興味が湧きませんで、まあ超辛口のトラジコメディな日常を送るわたくしに、ロマコメが響き難いのは当然なのですけど。
結局余り気乗りしないまま借りたので、うっかりブルーレイを借りたつもりでDVDを借りてました。結果的には画面の輝度がちょっと抑えられたので良しとします。


庶民(中の上)の女性が、超大金持ち(上の上)の御曹司と結婚したいけどいろいろ問題があったよね。


ははは。
コメディではあるのですが、そんなに現実離れしたバカバカしいギャグって訳ではなく超ラジカルです。そもそも映画の存在事態がラジカル。

うん。指が全く動かん。
いきなり例えますが、映画のバイオレンス描写って西洋人が酷い目に遭ってても割と平気なのに、韓国とかタイとか勿論日本人とかのアジア人になった途端に見てられなくなる事ってないですか?
それと同様に、映画でいくら西洋人が大金持ちだったとしても映画の設定として冷静に捉えられるのだけど、それがアジア人となると…。
コレは“アジア人の分際で金待ちなんて”と言いたいのでは断じて無く、自分はリアルに“金持ちが、お金が怖い”という事なのです…。

ユニセフのホームページによりますと、三千円でアフリカの子供達にハシカの予防接種98回分のワクチンが購入出来るそうです。
一方、ある時計専門店のホームページによりますと、高級時計の代名詞ロレックスのサブマリーナ デイトは3680000円。ワクチン約12万回分。それを、手首に巻いて歩く。或いは見もせずケースに眠らせる。
…なんでそんなことできるの?

…どうですか?我ながら腹が立つほど青臭い事を書いてますが、自分はこの映画をアフリカやロヒンギャの子供たちと一緒に観る勇気は無いです。
自分も、勿論無駄遣いはいっぱいしてしまいます。じゃあ、その度にアフリカの子供の事考えてるのか?と聞かれたら、…実は割とマジでそうなのです。それでいて、そんな事考えるだけで何も出来ない自分のクズさ加減にしにたくなります。ああー、毎日生きるの大変だー。…サノスー!!

あ、映画そのものは完璧だと思います。描かれている事柄は実はすごく普遍的だし、笑いの生み出し方もフェアだし、最終的な着地も意味的に完全に正しい。…きっと、出来が良すぎて、描写が的確すぎて自分はたじろいでしまったのだな…。

クレイジー・プア・ジャパニーズなわたくしが、心までプアなのが悪いのです。作品は完璧です!そして、自分にとってはやっぱり世界は最悪です!!サノス、指パッチン連打してくれ!!!