鍋レモン

クレイジー・リッチ!の鍋レモンのレビュー・感想・評価

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)
4.5
⚪概要とあらすじ
ケヴィン・クワンの小説を原作にしたドラマ。

ニューヨーカーのレイチェル(コンスタンス・ウー)は、親友の結婚式に出るためにシンガポールに行くという恋人ニック(ヘンリー・ゴールディング)に同行する。ニックの家族と対面することも決まったレイチェルは、彼がシンガポールの富豪一族の御曹司だと知って驚く。レイチェルはニックの母親のエレナ(ミシェル・ヨー)と会うが、彼女は自分たちの交際を良く思っていなかった...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“私の彼はスーパーセレブ 愛しているだけじゃダメみたい”

「ヤン家のニック?」

⚪感想
リッチなニックと大学で教授を務めるレイチェルのロマンス的ドラマ。

「金持ちと結婚したい!!」「玉の輿だ!!」みたいな欲がただ漏れな付き合いじゃなく、両親に会いに行ってみたら恐ろしいほどのお金持ちでお母様から愛されまくってる御曹司でした展開。

お金持ちと貧乏な部分では『花より男子』的な感じで王道だけど、違う土地で育った同じ人種といった部分でも差があってよかった。
前に聞いたバナナのたとえが聞けたのが嬉しかった。見た目は中国で黄色人種なのに中身はアメリカ人で白人だっていう。

レイチェルに対する周囲の攻撃は辛いけどレイチェルもニックも本当に素敵な人物で安心して観れる。「こんなことがあって最悪だったの!!」からの「君はそれを耐えたんだろ!!凄いよ!!」みたいな普通なら別れに発展しそうなちょっとした喧嘩がお互いの優しさで丸く収まるのが良い。
出会いとかどんな風に付き合っていたかもっと知りたかったけど。

基本的にはレイチェルに嫌な感情を持っている人が多いんだけど凄くいい人もいて、その中でも大学時代からの親友ペク・リンやレイチェルとニックと似た関係のアストリッド、オリバーたちが居て心の支えになっていた。

ペク・リンを演じたオークワフィナは『オーシャンズ8』でも出演していた女優さんだった。金髪ショートでその時と全く見た目が違っていたけど可愛い。

登場人物が少し多めなので顔と名前を一致させないとニックの家族、友人、結婚する二人がごっちゃになる。

結局は王道展開なんだけど好き。
とにかくときめく。

リッチなだけあって衣装や場所が豪華。セットだけでもかなりお金がかかっている気がしてならない。
シンガポールのあのビルに船が乗ってるマリーナベイサンズでパーティーとか規模がでかいもん。

ハリウッド映画だけど主要キャストがアジア系なのは凄く珍しいし新しい。このキャストだからこそ良かったし、原作に反し白人だけを起用していたのなら面白くなかったと思う。
制作過程にはホワイトウォッシングに該当する白人のキャラクターではないのに白人の俳優さんが使われる可能性があったため製作チームが断ったとあった。
やっぱりちゃんと役柄の人種は合わせた方がいいと思う。アニメ関連でのそうした取り組みは少しやりすぎに感じてしまったけどまずは同じ人種や同じ性的指向を持ちマイノリティ側に置かれている人が演じることって大切だと思う。それが馴染んできて普通という考えになってから違う人種や性的指向を演じてもいいと思う。
キャスト選びにはかなり批判もあったよう。両親の片方がアジア系じゃないからと言ったものもあるし、アジア系の俳優さんは使われているけど東南アジアの俳優さんはほとんどいないなど。

原作では三部作で、この映画の一部が描かれているそうで続編の可能性があるらしい。

原作や原題は『Crazy Rich Asians』なのに邦題で「アジアンズ」取ってしまったのはなんでなんだろう。

子供の頃にちょっと憧れいたお金持ちイケメンとの結婚をちゃんと描いたらこうなるが実現された感じ。

私は石油王と結婚したい。
お金持ち目的じゃないと素っ気ない対応をしたら求婚される世界線に行きたい。



⚪以下ネタバレ



レイチェルが冒頭にポーカーで示していたことが物語にも繋がっていたような。
後半には麻雀を使ったシーンも登場するんだけど麻雀の勝ち負けが分からないから話の流れとして何となく理解したって感じ。
あの戦いの後のレイチェルの母親の目が強すぎて強すぎてかっこいい。

レイチェルとニックが両親に会いに行こうと約束した時にそれを取り巻きの女性みたいなのが聞いていてそれを携帯に送ってから描かれるちょっとコメディーテイストな情報の広がり方の演出が面白かった。
日本でやると安っぽいのに可愛いってなるのなんで。

レイチェルがフィンガーボウルの水を飲もうとしたり乳母をおばあ様だと思ったりとハラハラドキドキ。

月下美人を眺めるパーティーに参加したい。

二回目のニックのプロポーズが好き。
母親から指輪をもらい飛行機でのプロポーズ。本当は理想のプロポーズがあったらしいけどあれはあれで思い出に残るし素敵。レイチェルの母親も見ていたし、その横にいたおばさんがYESYES言ってたのが面白い。
プロポーズ前にニックがお客さんの荷物を詰むのを手伝ってあげる姿にいい人さが詰まっている。

⚪登場人物

・レイチェル・チュウ
ニューヨークで経済学の大学教授を務める。エレノアが探偵に調査させたことで父は死んでいたと思いきや実は生きていた。その結果レイチェルが嘘をついていたと言われ責められることに。
レイチェルはとにかくかっこいい。色んな人にいびられだり虐められたりしても表沙汰にせず耐えて強い女性だった。もっと愚痴って復讐してもいいのにと思ってしまう。みんなが支えてくれながらも自分自身で幸せを掴んでいて素敵。
上辺だけの美しさじゃなくて中身の美しさが描かれていて好感。ネタにされてしまっていたけど胸が小さい設定もいいなって思う。
レイチェルを演じたコンスタンス・ウーは初めて観たかも。

・ニック・ヤン
実はヤン家の御曹司。周囲からは国民から愛される王様のよう。
周囲の関係に影響されず愛してくれるレイチェルが好き。プロポーズを最初は断られたけどレイチェルが飛行機で帰ろうとした時にもう一度プロポーズし成功。
あんな甘いマスクと美しい肉体美と優しい性格兼ね備えててお金持ちって完璧以外の何者でもない。
ニックを演じたヘンリー・ゴールディングさんが終始眞栄田郷敦さんに見えた。

・アストリッド・レオン=テオ
ニックの従姉妹のアストリッドはニックとレイチェルと逆のような恋愛。しかも夫のマイケルは浮気しているし。
女性がお金持ちで男性が女性よりも稼ぎが少ないとプライド的にも傷つくのかなって思った。
ブランド品を夫に見せないよう気を使ってアストリッドが隠していたのにそれはそれで夫が傷ついていたのかも。
アストリッドはレイチェルの味方になってくれて一緒に血だらけの魚を埋めてくれたり。
慈善活動をしていたり、女の子に優しく声をかけているシーンが印象に残った。
この人にはめちゃくちゃ幸せになって欲しい。

・シャン・スー・イー
ニックの祖母は最初母親と違ってレイチェルを認めてくれて素敵な人って思ったけど、ニックの母親と自分の息子の結婚はめちゃくちゃ反対したらしいし、後半は敵に回っていてめちゃくちゃ怖かった。
ニックの母親の態度はニックの祖母から引き継いでるやつ。

・エレノア・スン=ヤン
ニックの母親とエレノア。圧倒的鬼姑。
冒頭でのホテルのシーンは論破っと言った感じでスッキリしたけど現代ではめちゃくちゃ嫌なお母様。息子への愛ゆえかもしれないけど。
最終的には自分の婚約指輪をニックに渡し、レイチェルを認めることに。

・エディ・チェンとアリステア・チェン
ニックの従兄弟の二人はかなり癖が強いしウザイ。
仮面夫婦の方とポルノか何かに出ていた女優と付き合っている方。

・オリヴァー
ヤン家の調達員。
お茶目でオシャレで優しい男性。
レイチェルがエレノアをビックリさせようとキレにしてもらうことを頼む。『デンジャラスビューティー』じゃないけど女性が格段に美しくなる展開好き。

・ゴー・ペク・リン
レイチェルの親友。めちゃくちゃ豪邸に住んでいて、面白い。赤いワンピースを着ていたレイチェルをオシャレに返信させたり、車で送ってくれたり。車のトランクに朝帰り用とかディスコ用とか衣装を詰んでいる。
リンの父親のゴー・ワイ・ムンはレイチェル軽くセクハラまがいなことをしてPJを勧めてくる。
PJ はPJでレイチェルをめちゃくちゃ盗撮するけど青いドレスを来てもらおうと奮闘したりなかなか愛嬌のあるキャラクターで可愛かった。不味そうにうどんみたいなの啜っていた。

・コリンとアラミンタ
この2人の結婚式が実はメイン。
独身パーティーみたいなものがあり男と女で別れて旅行へ。ニックとレイチェルもここで別れることになる。
ニックの方には同じく同級生のバーナード・タイが。一応お金持ちらしくコンテナが沢山積まれた船でパーティ。
レイチェルは女性たちとパーティ。アラミンタがいるもののニックの元カノ中心に虐められる。アストリッドに助けられる。

・アマンダ・リン
ヤン家のお抱えの弁護士。レイチェルの味方かと思わせてゴリゴリの悪者。ニックの元カノでもある。

⚪鑑賞
映画天国で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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