実写作品とアニメ。
両方手掛ける監督は珍しいが、それぞれの作風がここまで違うヨン・サンホ監督はもっと稀有なんじゃないか?
しかも、実写作品の方が『新感染』とその続編みたいにアニメ的なケレン味があって、その一方で本作や『我は神なり』みたいにアニメ作品の方は「これアニメでやる必要ある?」っていうくらい生々しくて陰鬱な話。
要所要所に出てくる登場人物の憎悪に歪んだ顔が、唯一の戯画化された表現といえる。
初っ端にギョンミンの妻の死体のアップから入るのが回想形式で進む物語のフックになっている上に、終盤で明かされる真相のミスリードにもなっている。
貧富の差がそのままスクールカーストに反映されてる話だが、スクールカーストの上位に居るヤツが金持ちである描写が全然ない。
あいつらが大人になってどうなったのかにも言及されないし。
スクールカースト下位のジョンソクとギョンミンの前に英雄的な存在としてチョルが現れるが、「狩られたくなければ狩る側になるんだ」みたいな事を言ってナイフで猫を刺し殺すのは、厨二病こじらせてるイキったガキにしか見えん。
そんで、そのネコがちょくちょくオッサンの声で喋りかけてくるところはかなりシュール。