Kedjenou

万引き家族のKedjenouのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.4
家族がテーマの映画はみな嫌いですが、これは例外です。

映画が提示する家族は柔軟です。つながりは機能的で、経済的にも愛情的にも必要な人同士が全てを分け合います。代償を強く求めたり束縛しあったりすることはありません。離れて行くのも構いません。

ほんとの家族になりたがるメンバーもいるけれど、それはあっさり退けられます。

雑然とした部屋でよくわからない関係の人たちが一緒に鍋を食べている場面がありますが、皆が安心し切っている感じが伝わってきます。

血が繋がっているばかりに愛を奪い合い、苦しめ合う人がいますが、それって硬直した家族に縛られているからでしょう?映画はそう言いたいようです。

脚本はよく練られていて、しばらく経ってから「そう言うことだったのか」と気がつきます。演出も演技も、皆素晴らしいと思います。

この映画、カンボジアの人とか、アフリカの人の感想を聞きたいです。緩やかに結びつく家族や、いつも大勢の「兄弟姉妹」(血の繋がってない人も沢山いる)が同居している家族で育った人たちがいるからです。
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