しゅんかみ

万引き家族のしゅんかみのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.7
試写会で鑑賞。レビュアー試写会ということなので、とりあえず感想を書いてみます。
カンヌでパルム・ドールというどえらい看板がついた映画だけど、中身はこれ以上ないほどミクロな視点を持っていて、ある意味いつもの是枝監督の映画だった。
しかしそれでいてそのミクロの視点から浮かび上がってくるのが、国が違えど共通してある貧困、家庭内暴力、高齢化というような普遍的な社会背景や問題というマクロなものだからこそ、カンヌのパルム・ドール受賞ということになったのだろうと思う。

そして一番大きいテーマとして横たわっているのが、ある人のセリフでぽんと言い放たれる「本当の家族」というものについてだろうなと思う。その意味でドラマの『カルテット』や映画『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーVol.2』に通ずるなと思って観てた。
これらの作品ではいずれも、血の繋がりよりも濃い繋がりもあるのではないかという問いかけがされていて、普通に言われる血縁関係の「家族」だけを本当の家族とみなしてしまうより、それ以外の関係であっても互いに助け合えることこそが、特に子どもにとっては重要なのではないかという事を暗に言っている。
もちろん血縁関係がある間柄でそれが叶えば何よりだけど、現実にはそうならない人々が大勢おり、そこに向けられる視線が冷ややかである事が、とくに日本の作品である『カルテット』とこの『万引き家族』では語られていて、同時代性なのかなあと思った。

特に『万引き家族』では、セリフではほとんどそういうことは語られないけど、特にラスト近くの子役達の「視線」で語らせるのがさすが是枝監督演出なのかなと思った。

ただ、あくまで俺の主観だと、正直言って似たようなテーマ、似たようなリリー・フランキー、似たような樹木希林に若干既視感を感じてしまったのも否めない。もちろん単体として観れば素晴らしい映画である事には変わりないと思うけど。

あと、ここからは完全に余談だけど、この試写会と同日に『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』も観たんですが、同じ貧困というテーマを語っていて、かつ『フロリダ〜』の監督は是枝監督の『誰も知らない』の影響についても語っているということで、同じ日に観た意義がめちゃくちゃあると同時にめちゃくちゃ疲れたw
偶然だろうけどディティールの部分でも共通点がすごい多くて、そういう意味でも面白かったです。