マリリン

万引き家族のマリリンのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.5
【それぞれの正義とは】
2018年度カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。
5/27(日)に試写会にて観賞。試写会なんて久々だったので、そっちの方に緊張(笑)。
今年度のパルム・ドールを受賞しちゃったもんだから、期待が期待を生むというか、トラウマ映画『誰も知らない』を超える重傷を負わせてくるのかと思いきや、かなり軽傷で済んでホッとしたような残念なような複雑な感覚でした。
その理由を考えてみると、やっぱり『誰も知らない』は「子供だけ」っていうのが辛さを倍増しているポイントだったかも。今作も是枝監督の十八番である「子供へのネグレクト」は健在だけれども、リリー・フランキーや安藤サクラが扮する大人がいるから傷口に塩を擦り込むような感覚にはならない。
ツイッターを見てみると「『万引き家族』じゃなくて『窃盗団家族』だ」というつぶやきを見たけれど、「いやはや映画だし!フィクションだし!てか観てから言ってますか?!」と突っ込んでしまった。だって、そんなに「万引き」じゃないもの。それよりももっと複雑で色んなごたごたが絡み合っているので、別に万引きじゃなくてもいいだと思う。横領でも銀行強盗でもいいんです。ただ是枝監督は万引きという形を選んだだけ。
人間国宝級の樹木希林、可愛らしいのにどこかしら冷めて哀しげに腰を振る松岡茉優、そして母性が溢れ返っちゃってる安藤サクラ。このお三方の演技は必見でした。安藤サクラのシーンでは何回か涙腺が緩みました。確かに血が繋がってない方が上手くいく場合もある。
行政も警察も学校も会社も家族も、それぞれの守るべき正義がある。そんなことをこの万引き家族が住む作り込まれた家のセットに注目しながら考えていました。