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万引き家族のtoshiのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.7
タイムラインは予想通りデップー2レビューの連続。正にお祭り状態で私も乗っかりたい!!と思ったのでですが、カンヌのパルムドールを受賞した記念にこの土日先行上映と知り今作をチョイス致しました。

最近は邦画も良作揃いで、今作も賞を獲っただけあってやはり良作・・・。とっても素晴らしい作品でございました。

下町に住む年金暮らしの初枝の家に、元は他人である男女4人が何故か住み着き生活しています。日雇い労働、クリーニング店、風俗店でそれぞれ働く治、信代、亜紀・・・。そして小学生と思われる祥太は万引きで家計を支える・・・。そこに治と祥太が虐待を受けていると思われる女の子ゆりを連れて帰るのですが・・・。

樹木希林さん、リリーさん、安藤サクラさんが流石抜群の演技。加えて松岡茉優さんも期待通り。更に祥太役の城桧吏くんと、ゆり、じゅり、りんを演じた佐々木みゆちゃんがこれまた素晴らしい。この6名の俳優さんで今作を素晴らしいもの仕上げたのは確かだと思います。

本当の家族ではないのに本当の家族の様な6人。少なくともゆりは虐待を受けていたと思われる両親と暮らすよりは、万引きをする様な犯罪疑似家族であっても初枝宅で一緒に住むその男女との生活の方が何百倍も幸せだったと思います。
でも一人の女の子ゆりが行方不明になっている現状、この幸せな疑似家族が今の生活をずっと繰り返すことはできない事は目に見えています。そしてやはりそれはある出来事をきっかけに崩れ始めていきます。
またゆり以外の5人が何故一緒に生活することになったのかもそのある出来事の後徐々に明らかになっていきます。

今作ある出来事以降が面白くなる?と思ったのですが、そこへ辿りつくまでの6人の何気ない本当の家族の様な生活に色んな事を思い感じ移入できて見応えを感じました。訳あって集まった6人の人間が生活するその様に「この先どうなるの?」と思い目が離せなくなっていました。

上記6人の俳優さん以外も魅力ある役者さんが勢揃い!!でも今作あくまで6人主軸で物語が展開していきますから、以外の役者さんは殆ど出番がありません。その中でも柄本明さん演じる雑貨屋店主が祥太に言ったたった一言の言葉・・・。ちょっとしか出てこない柄本さん演じるこの店主のその一言は今作のキモとなり、そしてその一言がとっても切なくて胸がアツくなりました。

ラスト一人遊ぶじゅり(ゆり)が何かの気配に気づき目にしたものは
何だったのでしょう。

たとえ疑似家族であっても家族の居ない私にとって家族を十分に感じさせてくれた今作でした。

【余談1】
普段露出が少ない松岡茉優さん。海のシーンで見せたお胸を見て結構大きい!と驚きました。また役の亜紀は風俗嬢なのですが、過激ではないけどお店のシーンで見せるその姿にちょっとエロスを感じました。
【余談2】
今作上映は6.8からですが、上記の通り受賞祝いでこの土日のみ先行上映です。よって満席は必至。スクリーン入り口付近には2名のスタッフが入り具合も確認しており、そしてそのスタッフ2名も安堵したと思う満席状態。1列、2列目に若干空席がある程度です。そんな中私はいつもの席に着きしばらくすると、夫婦と思われるお二人が通路を挟んだ私の隣の席に座っているご老人を離席させました。で、そのご老人ですが「ハイ、ハイ」と元気な声で席を立ちかなり前にある隅っこの席に着席。夫婦の奥様が「人が取った席に平気で座る人って今でもいるんだね」みたいなことを旦那様へ話しておりました。
ご老人・・・。幾ら何でもパルムドール受賞した事で先行上映していますし、土日の2日で4回しか上映されないので流石に黙って自由に座れる程の空席なんてないと思いますっ!w
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