ヒジィアレン

万引き家族のヒジィアレンのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.1
彼らが盗んだのは、絆でした

是枝裕和監督、パルムドール受賞おめでとうございます
日本映画では21年ぶりとなる最高賞
先行上映にて鑑賞

是枝監督も今までも日本の社会情勢や習慣を通してひとのつながりと家族の絆とは、というテーマを描いてきてまして
今回は実際にあった年金不正受給事件にインスパイアされている作品

「そして父になる」「海よりもまだ深く」で家族のつながりと血のつながりという日本人の考え方の根底にあるものを
新生児の取り違え問題、離婚した家族とのあり方の問題を主軸に描いて
今回は普通の生活をしたくても出来ず万引きをし、
さらに祖母の年金不正受給事件を起こすいびつだが日本に確かに存在する立場の人たちを通して家族とは、絆とは、を描いていました

父親のリリーフランキーは日雇いの工事現場で働き、稼ぎで足りない分は息子と万引きをする
母親の安藤サクラはクリーニングのパート、
祖母の樹木希林の年金を頼りに、
さらに母の妹松岡茉優はマジックミラー越しのJK見学店で働く

ある寒い冬の日、父と息子はベランダに小さい女の子がまたいるのに気づく

何が大切なのか
血が繋がっていれば家族なのか
実の父親、母親でないと愛情は注げないのか
一緒に暮らしているから繋がっているのか

主演は
是枝監督とは何度もタッグを組んでいるリリーフランキー
安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林、池松壮亮、柄本明、高良健吾、池脇千鶴と最高の布陣
特に安藤サクラと樹木希林、存在感がすごすぎる
子役はオーディションで選ばれた2人、自然な演技すぎるんだな〜

日本の家族の形とは
日本だけでなく、世界に社会問題に訴えかける作品です