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万引き家族のmoeshineのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

先行上映で。
とても良かった。

役者陣の演技が上手すぎて、自然すぎて、まるで本当にこの人たちの生活が身近なところにあるように錯覚してしまうほど。
と同時に、この家族の関係が明らかになっていく過程とか、おばあちゃんの死なんかの物語の展開するタイミングとかが絶妙で、フィクションとしてすごくコントロールされているとも感じた。
「偽物」の家族が、「本当」の家族よりも本物らしく見え、「虚構」の映画が、「現実」よりも現実を描いているように見える。
本物と偽物、現実と虚構、正義と悪、などの関係が逆転しているという構造。
「父」と「息子」、2人の「祥太」も逆転してた。
「捨てたんじゃなくて、捨てられてたのを拾った」。
逆転させることで、対立するものがフラットな地平に並んで、「すべきことはなんなのか」を観る人があらためて考えることになる映画なんじゃないかと思った。
だって、この「家族」たちが本当に幸せになるって一体どうしたらいいの?

登場シーンが少ないながらも印象深い柄本明、池松壮亮、池脇千鶴、高良健吾の存在感と安心感よ。


海のシーン、西川美和の「永い言い訳」を思い出した。
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