「万引き家族」このキャッチーなタイトルから筋違いの御託を並べてる輩がSNSで散見されるが、全くもって的外れ。観た人間からすれば、一瞬でああ、観てないんだなとわかるし、もし観てなおそんな妄言を吐いているのだとしたら人間性が疑われる。
今作での「万引き」はあくまで物語上のエッセンス。実際は日本社会が抱える様々な問題を鋭く切り取って1つの劇映画に見事にまとめられている。全体的には過去作の「誰も知らない」の正統進化、という印象を受けた。
是枝監督がトークイベントで語っていたように、各年代のトップの役者を集める、というコンセプトに偽りなし。よくぞこれだけ唯一無二の役者を揃えたなと。家族それぞれの過去で映画が一本ずつ作れそう。すごいのはそれを断片的なセリフと表情だけで想起させる演技力。それもドヤ芸でなくごく自然に。
なかでも安藤サクラには圧倒されまくった。
先行上映の劇場はほぼ満席だったが、今後もこの調子で行ってもらいたいものだ。