是枝監督 カンヌ映画祭パルムドール受賞となった最新作
歪んでしまった家族や人間関係を丹念に描き、家族その本質を考える。
だからどうしたらいいのか？
どうなればいいのか？
勿論そう簡単に答えが導き出せるものではありませんし、もしかしたら答えのないモノかもしれない
だけど作品を観ているうちに、何だか心に刺さるモノ、解決へのヒントを感じる場面がある…
そんなところが
「そして父になる」「海街diary」など
是枝裕和監督作品の特色であり魅力ではないかと思っています。
今作では不幸や悲しみから逃げ出してきて、寄り添い合いながら犯罪で生計を立てて生活している実は他人の偽装家族が描かれます。
そして、ある出来事をきっかけにその生活は破綻し、登場人物それぞれの複雑な過去や事情が浮かび上がってくる…
良い、悪いで振り分けてしまえば間違いなく悪い犯罪者たちの家族の話になるのですが、
観終わった時には、簡単に振り分け出来ない複雑な思いが残ります。
静かな場面なのですが、特にラストシーンは
家族って何なのか？親子って何なのか？絆って何なのか？
強烈に訴えかけてきます。
家族や絆とは？
身近でもっとも複雑で美しくも、また時に醜く難しい問題、やはり世界共通の問題でもあるんでしょう。
パルムドールも納得の傑作です。
