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万引き家族のandhyphenのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.2
これは良い家族の物語でもないし、絆の物語でもなく、幻想を描いてるだけのように見えた。
この家族に共感が全くない訳ではなく、それなりに愛着が湧くように描かれているのが肝で、でもそれはあの家族の在りようを長時間観せられているからに過ぎない。
何かを負った者同士が絆を求めてつながった、ように見えなくて観ている間中自分の価値観との戦いであった。
あと、「現実世界の厳しさ」の描写が圧倒的に足りなくないですか。「家族」の書き込みに時間かけ過ぎていて、問題がぼやけている。
そしてそれほど「家族」の書き込みに時間を割いているのに、ここにうまく乗れないのだ。凄い葛藤だった。泣くに泣けない...。
近年のパルムドールには共感性が高かった。それだけにというか、今作は、観ている間、「自分は冷血なのでは」という感じを突きつけられて、観ていて厳しいものがあった。
映画は難しいな。
安藤サクラが突出し過ぎている結果、リリー・フランキーが(上手くはあるが)作為的に見えるという罠。女優陣は皆良いがやはり安藤サクラが傑出し過ぎている。
子役に関しては...演技上手いねえ、という感想です。
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