作りかけの大きなお家(マンション)と荒廃した仮初めのお家(廃車の秘密基地)。
凄まじいほどの編集で魅せる、対比の妙。
そして…
<編集>
緩と急、極端な明と暗、長と短、余韻と思い切った切り捨て。カット割と概念の対比と共に、繰り返される恐ろしいほどの編集による対比構造。
<概念>
家族と他人、パスタの堅い芯が柔らぐほどの暖かさとホカホカご飯が一瞬にして不味い冷飯に変わるほどの冷酷さといった対比的概念の中に、決して対比では割り切れない捉えられない善と悪が混じり込む。
「感動した!良かった!」なんて単純で割り切れる感情では収まらない、この日本の片隅の、初夏1番の想いをあなたに。
【6/9 11:51追記】
鑑賞から一夜明け、ずっと心に残っている意外なシーンについてコメント欄に書きました。ネタバレ注意。