自分自身、特別に正義感が強いわけでもなく、日大にアメフト部のニュースや紀州のドンファンのニュースなんかは野次馬根性丸出しで観ちゃったり。
けれども、目黒の虐待事件だけは怒りで血が逆流しました。テレビで逮捕される両親が映った時に自然に『お前ら、死んじまえ』って声に出して言ってました。
最近はあの事件関連のニュースを観たくなくて。。。ホントに辛すぎる。。。
この映画を観ようと思ったのはカンヌで賞を獲ったということもあるけれど、奇妙な家族が写ったポスターに惹かれたからでもあります。
始まってすぐに、どうやらネグレクトされてる少女をリリー・フランキー扮する¨父¨が自分の家族の元に連れてくることから始まります。
その時点で頭に浮かんだのはやはり目黒の事件で、見ている間ずっと事件のことを考えていました。
少女が連れてこられたのは、奇妙な構成の家族がいるとても裕福とは言えない家。しかし、そこでは少なくとも¨虐待¨はなく奇妙な居心地のよさがあり。。。
複雑怪奇な家族の構成の秘密は物語が進むにつれて、徐々に明かされていきます。
家族の大人たちはそれぞれ不安定な職ながら、働いてはいます。けれど、充分ではなく、プラスアルファのために万引きして生活してます。
その他にちょいちょい犯罪してます。
それはやっぱり絶対的にダメで。
でもなぜかこの家族には、常識を越えた所にある¨優しさ¨があります。
その優しさは許されない優しさ。
けれど、もしも。もしも行き場がなく日々虐待を受けてる子供がその¨優しさ¨を受け入れたとしたら。その¨優しさ¨のおかげで¨生きられる¨としたら。
いろいろ、いろいろ考えさせられました。
ラスト付近での疑似父子の布団の中での会話。嘘をつけば楽なのに¨父¨は嘘をつかなかった。ある大事なことを代償にしてまで¨息子¨の質問に¨正直に¨答えた。
あのシーンの二人は本物の¨家族¨だったなぁ。
自分を守ろうとすることばかり考えて子供を犠牲にする大人ばっかりの世の中にイヤになっちゃいますよね。
そんな中、この映画の存在が日々刺々しくなっていく心を癒してくれたような気がします。
あ、でも万引きはダメですけどね(笑)