このレビューはネタバレを含みます
始まって間もなく違和感が生まれた
松岡茉優、何故この役がいるのだろうか?
リリー・フランキー、安藤さくらなどとあまりにも違う、樹木希林に至っては台詞が聞き取りずらいというリスクの上で入れ歯を外しリアリティを追求している
なのに一人歪みがない女の子が。不自然な存在がいる
それも一人常識的視点を持っている。ならば一緒に暮らしてる流れがわからない、より何故が深まる
しかしお祖母ちゃんが亡くなると彼女は重要な役割を示す
おそらくこのシーンを松岡茉優なしで作ると
大人二人サバサバと遺体処理と金探し。キョトンと立っている薄汚れた小さな子ども二人
渇ききった、それも少し恐ろしいシーンになる。
こんなシーンでは観客はお祖母ちゃんへの情など、本作の作りよりも薄れシーンの深みが無くなる
ただのストーリーの分岐点にしかならない。
間違った行為をし続ける大人、それも子どもを絡めてのあやまち。そんな人達への観客の気持ちは簡単には許せない。
あの涙は固くなった蛇口を一旦ここで弛くさせる役割を担ったのだと思う。
松岡茉優が見せた演技により溢れてた感情は後々に影響を与える。
安藤さくらの涙の場面
未来を見据え男の子へ伝える場面
リリー・フランキーの別れのバス
大人たちの愛に対する気付きへと繋がる
つまりラストでの家族への情の呼び水となる重要な演技なのだと気付いた
「そして父になる」でも感じたが事だが
是枝監督の役を配置するバランス感覚スゴい!