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万引き家族のaymのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
5.0
予備知識があまり入らないうちにどうしてもみておきたくて、タスク丸投げしてレイトショーへ。お昼は後ろの方の席がほぼ埋まっている状態だったけど、さすがに日曜の夜は人が少なくて落ち着く。

まずキャストが素晴らしい。大好きな役者ばかりだったけど、贔屓目に見ても子役含めみんなそこに「いるなあ」と感じられる演技。そしてやっぱり構成・脚色・演出に無駄がなく、解釈の押し付けも一切なく、ちゃんと社会派してきたなあ、と思えた。細野晴臣氏担当の音楽も心地よく、作品を邪魔してなくてよかった。

※ わたしの中での良い映画の基準point
・集中力が途切れない(眠くならない)
・わっと思う、印象に残るシーンがある
・泣くけど笑いどころもちゃんとある
・余韻が残り、またみたいと思える
上記の点で、映画館で観てもお釣りがくる良作。でも誰かとみにいったり語り合ったりする映画じゃあない。サイトでは「“家族を超えた絆”を描く衝撃の感動作」と紹介されていたが、正直この映画みて安易に感動したわーとかリアルで語られると吐くかも。

ラストシーンが最高にバッドエンドで、美しい。要は、表現きたなくすれば「ど底辺物語」、でもわたしのまわり法に触れない範囲でこんな人たちばかり。こどもはみんな天使だし、生まれてきたこどもに罪はないけど、悪気はなくてもこどもを不幸にする大人をわたしは憎んでいる。でも、例えばわたしはこどものとき、親に雪の日に雪だるまつくろうよって誘えなかったし誘ったところで絶対あんな風にいっしょにつくってくれたりしない。こどもにとっての幸せって、血の繋がった親と暮らすこととか、親が離婚しないこととか、そういう社会的に正解とされていることだけでもないよね。でも簡単に人や社会は変えられないので、わたしだけでも不幸なこどもは生みださない大人でいたい。(独身・30代)

今観たばかりだからかもしれないけど、自分の中の是枝作品の位置づけ
1. ワンダフルライフ
2. 万引き家族
3. DISTANCE
4. 空気人形
5. そして父になる

この映画が評価される世の中まだ捨てたもんじゃないです。
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