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万引き家族のazuのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.2
是枝監督、リリーフランキーさん、安藤サクラさん登壇の舞台挨拶上映で見てきました☺️

1日経った今でも、ラスト数カットのりん(佐々木みゆちゃん)の姿が頭から離れません。連日ニュースで報道されている5歳の幼女虐待死事件を重ねてしまいます。映画の中の人物なのはわかっていますが、りんがこれからも元気で生きていけますようにと願うばかりです。

開幕すぐに治(リリーさん)と祥太(城桧吏くん)がスーパーで万引きをします。たまにスーパーで品物が入ったままのカゴが不自然に放置されているのを見かけますが、まさかそんなことに使われたわけではないよね?疑ってしまうほど。流れるような一連の作業に呆気に取られました。

そのあともずっと、私はいったい何を見ているのだろう?と思いながら、ただただ深い事情を抱えた血の繋がらない一家の暮らしを見ているだけ、という感じです。それなのにずっとこの6人の家族のことを考えてしまいます。(要するに引きずっている)

信代(安藤サクラさん)は過去に自分も虐待された経験があるから本能的にりんに寄り添っていたように見えました。取調室での涙…あのシーンはもう演技を超えていて見ている者にいろんな感情を沸き起こすと思います。

初枝(樹木希林さん)が皮のついたミカンをかじるシーンや、テーブルからこぼれ落ちそうなそうめん…印象的なカットが他にもたくさんありましたが、撮影が近藤龍人さんだとわかり納得。是枝作品との相性すごくいいんじゃないでしょうか。

★以下、舞台挨拶での質疑応答について記します。

終盤で、祥太がわざと捕まったと思われるシーンについて。りんを助けるためだったのか、万引きすることに罪の意識を持ち始め、もうこんな生活終わりにしようと思ったからなのか…という内容の質問があり、監督はそういう単純なことではないと笑顔で回答されていました。私もこのシーンに対しては見た人それぞれがいろんな解釈をするところだろうと思いました。
治は劇中で全く成長しないキャラとして書いているので、最終的には祥太に父を超えてほしかったと仰っていました。

城桧吏くん、冒頭からラストにかけてどんどん成長していってるように見えて、最後はきっと大丈夫と思わせてくれる強さがありました。子供時代の柳楽優弥くんのような目線のまっすぐさが印象的ですね。これからが楽しみです😊
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