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万引き家族のPORKのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.8
平日早朝なのにいっぱい入ってた。パルムドール効果で上映中ずっと喋っている老夫婦、ママ友というガービッジまで惹きつける引力。映画末端の僕には、受賞は百害あって一利なしなのかねえ。僕の癒しの時間を万引きされましたと。

万引きをするシーンから始まって、出会って4秒で女児を拐かす。しかし巣に戻ると、世にも暖かい家庭が待っている。その光景からクリミナル、インモラルな行為を除けば、誰もが憧れるような日本的家族があることにすんなり受け入れさせられる。反対に四書五経に数えられている『葛城事件』は、血の繋がりが濃厚な家族が地獄のような絵図を見せてくれる。今回、本当にその対の極となる映画を作ってくれたなあと。ありがてえ、ありがてえ。

「主役」となるこの家族のメンバーの演技は言わずもがなもが。りんちゃん役の子の商店街を走り抜けるシーンの走り方とか最高に可愛いね。この子がブイブイ前傾的な演技してきてたら、冷え冷えだったんだろうなというプロ演出。

脇役に池松壮亮起用するのずるない?泣いたよね。社会の隅っこって言う意味ではあの位置は僕なんだよなあ。僕があきちゃんの膝枕で慰められてるシーンを、今朝池松くんが劇場で見てたっていうようにすり替えられませんの?

あとは高良・池脇組だけども、『君はいい子』でお前らは何を演じてたんだよっていう皮肉な役。悪い人ではないけどね、この世界良いとか悪いとかクソほどの役にも立たないからしゃーなし。
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