個人的にここ最近見た中ではいちばんずっしりと重く暖かい映画で間違いない。
社会問題を散りばめつつ(問題提議がテーマではない)、歪な貧しい家族の中での温かな営みが自然と笑顔にさせられた。
目に涙は溜まったが、溢れることはなかった。それくらいに観客に媚びた作品ではなくリアルだった。
今の家族って家族全員でなにかするとかできてんのかな…できんのかな…
正しいこと(一般的に)が全て最良の選択とは限らず、そこから外れると一纏めに犯罪者でしかない。
伊坂幸太郎のモダンタイムスの内容でも考えさせられたが、報道される事件には少なかれ裏側があるんだと思うし、それを見て事件を知る視聴者はごく表面的にしかその事件のことが分からない。
報道内容が全てのように感じ分かった気でいる。
事件になる程の事を行動に起こすにはそれなりにエネルギーも必要だろうし、それでも起きてしまうということはきっとニュースでは語られない当事者達にしかわからない"何か"あったんじゃないかと考えてしまう。(勿論全てではないけど…)
あくまでも本物ではなく偽物の家族ではあったけれども、作中での笑顔が溢れるシーンは紛れもなく家族のものだったし、呼び方だったり他人であることを忘れていない部分も描かれていてどうにも切ない気持ちが笑顔の分だけ積もった。
家族であり家族じゃない、だからこそだろうか血の繋がりが当たり前過ぎていてこういった家族の絆に心打たれた。
この家族には金銭的な損得勘定で繋がっていた。それでもよ心の繋がりが大きいかったと僕は思えた。
今日この映画を観て、明日からもっと他人に優しくなれるような気がした。
普段あんまり感想は文にして起こさない為、駄文になりましたが、どうにも感じた事を残したくなって今回は長文になりましたとさ。
