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万引き家族のmoのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.2

「家族のあるべき姿とは?」
『答えはないんじゃないですか。わかっていたら撮らないと思います』


第71回カンヌ国際映画祭で見事パルムドールに輝いた是枝監督渾身の一作。

年金暮らしの老人のもとで共に暮らしている夫婦と、本当の両親からネグレクトされた子供達。
どこまでが他人か。どこからが家族か…



とても「面白い」とは言えない、ただ私たちに"家族とは"を強く問いかけてくる作品です。


「子供には本当のお母さんが必要なのよ」という正論は、果たして子供達全員にとっての正論になるのか。
お腹を痛めて産めば母親になれるのか。
本当の親に育てられれば必ずしも子供は幸せになれるのか。


是枝監督はこれまでも度々"家族"をテーマにした作品を撮っていますが、どの家族も世間一般で言う"家族"とは少し違います。

子供の取り違い、腹違いの姉妹、親になれなかった父親…
完璧な血の繋がりを持たない彼等が家族として暮らすことの難しさを描く一方で、私はいつもそこに確かな"家族愛"を感じていました。


そして見る人によって意見は分かれると思いますが、私は今作にも是枝監督特有の家族愛を感じます。

それはあまりにも丁寧に描かれた日常風景の中の、抱きしめてくれる腕の温かさとか、愛しいと語る瞳とか、「行ってらっしゃい」の言葉とか…
そういう日常の一つ一つに愛が宿って家族を作っていくものだと思うから。


なのでそれらを全力で表現してくれた役者の素晴らしい演技ありきの作品でもありました。
監督も役者も文句なしに日本最高レベルだと思います。
この作品が邦画の代表としてカンヌに出品されて、最高賞のパルムドールをとってくれたことが本当に本当に嬉しかった。


万引き家族は日本の誇りです。ありがとう。
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