Vakira

万引き家族のVakiraのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0
何故人間は夢を見るか?夢を見ることによって疑似体験をし、現実での予期せぬ咄嗟の出来事に対応するため。自分では制御で出来ない自己防衛本能がそうさせるのだ。という説がある。

小説を読んだり、映画を見てウハウハと興奮し、楽しむのも実は自分の知らない深層の自己防衛本能がフィクションによる疑似体験を欲しているのかもしれない。

是枝監督の作品。最近は家族の絆を描いたのが多いような気がする。例えば「そして父になる」なんて自分の子が出産時のミスで自分の子でなく、本当の自分の子は他の家族に育てられていた話だ。自分にも子供がいるのでこのプロットだけで胸が苦しい。いくら疑似体験だといってもこの映画は見たくなかった。いまだに見てない。

さてこの「万引き家族」予告を結構見せられる。実は擬装家族でいずれバラバラになっちゃうんだろうな。これも胸が苦しくなる予感。でもカンヌ映画祭でパルムドールを受賞。パルムドール賞に負けて見に行く。

兎に角子役の演技が素晴らしい。将太もゆりちゃんも。おばあちゃんも入れて家族は5人で虐待されていたゆりちゃんを連れて帰って6人。ボロ一軒家。2LDKで殆どみんな居間で暮らす。

ねえ おとうさん 「お父さんとおかあさん いつしてんの?」って義理の妹に聞かれる。父曰くおかあさんとはここで(と股間をさす)繋がっているっじゃない。ここで繋がっているんだと胸をたたく。

お母さん役 安藤サクラ。美人ではありませんが艶めかしい場面も。見手にとってはヴィーナス発見となる。

「犯罪で繋がっている」がキャッチコピー、愛情があります。良く考えたら夫婦なんて血が繋がってない他人だ。他人だからこの家族も繋がっていけた、解散が辛くなる。

万引きされたのは俺の方か・・・
Vakira

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