このレビューはネタバレを含みます
実際には血のつながりのない「家族」たちによる疑似家族の物語。
生活が苦しいから万引きや車上荒らしで食いつなぎ、果ては年金受給者である
おばあちゃんが亡くなると土に埋めてのうのうと年金を受給する姿は肯定できるものではない。
しかしこの作品で伝えたいのは犯罪行為ではなくて、日雇いで怪我をしても労災をもらえなくなったり、
会社が傾くと給料が多いからという理由でリストラされてしまうことで
無収入になってしまう貧困の問題。
そして「拾ってきた子」と一緒に生活してそこには確かに愛情に溢れていたが、
世間では「誘拐」とされ、拾われた子は親元に帰ってはきたが、そこに描かれたのはネグレクトの問題。
見ていて爽快感はないし、淡々と描かれているが、そこにはいろいろ考えさせるものがある。少なくとも犯罪行為を肯定するものではないのは見た人ならわかるだろう。