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万引き家族のkyonのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0
安藤サクラの2回涙を流すシーンが忘れられない。

凛のほっぺごしに母親の愛を望んだ女性の涙があって、刑務所では「どうなんでしょうね」と発する彼女の母親としての涙は止まらない。手の平で何度も目を拭っても、溢れる涙の引力。

リリー・フランキーとの裸のシーンも印象的。

リリー・フランキー、松岡茉優、樹木希林、城絵吏、佐々木みゆ…主要俳優がすごく良い。

匂いたつような服の汚れ、皺、質感、そういったものからこの疑似家族の状況がわかってしまう。

確かに家族であった瞬間はある、と信じたい、だけれど外部から見たらそれは理解できないことになってしまう。

あのラストの祥太と治の場面、一旦バスに乗って席に着いても振り返らない祥太とその姿をすがるように追いかけていく治。


万引きしか教えられない、と言った治は祥太にとってもしかしたら「父親」になれたかもしれないけど、'拾った'祥太を一瞬でも'捨てよう'とした事実が素直に家族を定義出来なくする。

手に入れた時間の儚さに、戸惑い、最後の最後に凛(じゅり)が大切にビー玉を数える姿にその時間を重ねる。