万引き家族のもくもくのネタバレレビュー・内容・結末

「大人に、ひいては社会に捨てられた子ども」「家族って何？」というテーマは、「誰も知らない」「そして父になる」で描かれていたものと共通する。
監督の、弱者に対する眼差しと、社会に対する思いがつまった映画だと感じた。ユリを捨てたのは親であり、また、弱い人々を見捨て続けている社会の仕組みでもある。
盗みをして食いつなぎ、社会からこぼれ落ちそうになっていた子どもを「誘拐」し暮らしていた彼らは結局、きちんと裁かれた。それはそれで正しいことだろう。
でもそれでは結局、こぼれ落ちていることに気づいてももらえない者はどうしたらいいのか。
最近のニュースを見ていてもつくづく思うが、表面化しているのなんてごく一部で、今も困っている子どもや親は沢山いるのだろう。

安藤さくら力が爆発している。セリフ外に物語や感情を乗せられる、そしてこちらの感情を引きずり出す素晴らしい役者だと思った。