心理学者のアドラーは、全ての人の悩みは対人関係の悩みであると言ったそうだ。つまり、人の苦しみは全て人間関係によって生じると。その逆もまた然りで、人は人間関係によって生かされると思う。
彼らはなぜあのような繋がりを求めたのか、なぜそうする必要があったのか、ということを考えると、胸がつまる。ユーモアを散りばめつつも、本当に苦しくなるような切なさを感じる場面が、とても多い。
映画としては、現代の社会問題を扱った側面も確かにあるんだけど、それよりもっと普遍的な、家族や人間関係とは何たるや、ということが根本にあるんじゃなかろうか。ラストは、希望の持てる良い終わり方だと思った。