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万引き家族の1000のレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.6
パルム・ドールの名に恥じぬ、大変パワフルな良作。
もうちょい邦画邦画してるラフな作品かな、と思っていた俺が間違っていた。

「リアル」と「リアリティ」が見事に逆転した日常。「嘘の上にも有益な宗教は築ける」と言ったのはカート・ヴォネガット。
虚構だ、アンチモラルだ、と誰に非難できようか。現場で生きているのは血の通った人間だ。世間の語る「本当の家族」があまりにも軽薄で、虚構じみていてゾッとした。

美醜の反転を描いた物語は極めて挑発的だが、無視してはいいものじゃない。ずいぶん遠い作品だがキャサリン・ダン『異形の愛』を連想した。
こんな繊細な問題提起を前に「万引き推奨だ」とか、先日の『恋は雨上がりのように』を観て「セクハラ推奨だ」というのと同じレベルで無神経だし、最近の邦画界隈は難儀だなぁ。道徳の押しつけがはらむ暴力性をもっと自覚するべき。

松岡茉優ちゃん可愛いいいかった、ありがとうございます。あと、リリー・フランキーの巻き舌が癖になる。