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万引き家族のZERのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.2
是枝監督の集大成!カンヌ国際映画祭で見事、パルムドール受賞。日本映画史に残る快挙、まずはおめでとうございます。
いやぁ是枝監督、かっこいいなぁ
やっぱり表現を極めた人の口から出る言葉って研ぎ澄まされていて、それでかつ重みがありますね〜

(ここからネタバレ含みます)
さてさて、映画の中身ですが…一回目(二度映画館で観ました)。構成はもちろんのことなのですが、それより役者の演技力にただただ圧倒されました。初枝(樹木希林)のみかんを頬張るシーン、信代(安藤サクラ)の尋問での泣くシーンなんかは本当に他のどの役者でも真似できないシーンで、かつ是枝組の自由な雰囲気だからこそ成し得た賜物なのかなと思います。見ないと分からないと思います。是非まず一回は観てください。

そして二回目。今度は構成(家族とは、正義とは、を巡る対比、子供と大人の対比)、これでもかというぐらい奥深い問い、が詰まっていて、思わず「是枝監督半端ないって。こんなん一回じゃ分からんやん、普通。」となってしまいました。笑
構成の他にも風景描写の上手さ、また風景自身を対比させることで、より構成の対比を色濃くしていると言うか…
なので、とにかく二回は観てもらいたいなぁ、と。

だってパルムドールですよ?これを見ずに、どの邦画を見るんですか?と本当にたかが素人のレビューで熱くなってしまう僕はまだまだ未熟者のようです。

(以下、独り言)
「僕らの若い頃なんかは、映画を見に行くってのは、小さいなりに知的好奇心を満たすものだったんですけどね、最近そういう子供も少ないじゃないですか」(試写会でのリリーフランキーさんの言葉を引用、多少実際とずれてるかもしれません)。この映画の評価とか見てても、是枝監督の発言が左右に寄ったとかどうやらで騒いだりしている人を見て、溜め息が漏れてしまう。
この映画は、「表現」でしょう。そんな事関係ありますか。本当に素晴らしいものを見れて良かったです。
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