きざし

万引き家族のきざしのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.6
「家族」って、なんなんやろなぁ?

そう、感じ考えさせる作品でした。



だいたいの人は、
家族だから、近すぎるから甘えがでちゃう。


自分を繕わず、
言いたいことをズケズケゆうし、わがままになっちゃう。


これが「他人」やったら、
もっと気を遣っていい関係を築くやろうに…


「他人」やから見えること。
「他人」やからできること。


あなたは、家族の絆は血が繋がってなくてもできると思いますか?


現に「夫婦」って赤の他人ですもんね。


そこから産まれる二人の血が通った子供。


この作品は、そんな「家族」の物語と同時に
万引きやらをする「犯罪」についても考えさせられる。



いい犯罪、悪い犯罪ってあるんかな…?


血の繋がった子供を虐待するのは悪い犯罪?


お金がなくて家族を養えないから、
しょうが無く万引きするのは良い犯罪?


犯罪に、良い悪いはあるのでしょうか?



逆に、「正しい事」をするのが全てなんでしょうか?


この家族たちは、そういう意味では正しくない。


だけど、間違ってるとも、悪いとも言いがたい…


だから人間って、複雑で面白い!




私、今までホームレスの人とか見かけて「なんでお金に困ってんのに、犬やネコ飼うんやろ…?
エサ代とか大変やろうに…」


または、
昔の日本とか貧困にあえいでいる国の人は、
なんで子だくさんなんやろ?

育てるの大変やろうに…?


って、疑問に思ってた。



だけど、この映画を観てやっと分かった。


みんな、心の拠り所がほしいんだよね…?


お金がある人は、たくさん欲しいもん買って、美味しいもん食べて、

それで心が満たされる。


または、お金があることで
安心感や優越感にも浸れるかもしれへん。



だけど、そこに心の拠り所を見いだせない人達は、
やっぱりそのほかで「温もり」や、「心の豊かさ」を補わなあかんねんやろなぁ…




でも、本来はそっちが正しいのかもしれん。



生き物は、そうやって支え合って、
愛情をもって生きていくのがきっと1番幸せや



あのとき、安藤サクラ演じる信代が

「こんなことではお釣りが来るくらい楽しくて幸せやった」
ってゆったとき、



それが分かった。



こっからちょこっとネタバレ




今なお起きているであろう子供の虐待問題、、



彼女が言った
「捨てたんやない、拾ったんや」は、

きっと嘘やない。



あそこにいた、みんながみんな


きっと捨てられて心が空っぽやったんや…



だから、お互い身を寄せあって「家族」という愛の形を作ったんやな。


いびつかもしれへんけど、キラキラ輝いてたよ。
きざし

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