うぎょ

万引き家族のうぎょのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
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「制度的な家族」から脱落していった/排除された個々人が、万引き(と諸々の軽犯罪)という、ある種制度の網の目を掻い潜る様な戦略の下に築いていく「幸せな家族」という連帯。だけれども結局はそれすらも叶わない。奪われてしまう。
この「報われなさ」に目を向ける事が即ち現代社会の「見え辛い/ない部分」を「見よう」とする事、だと思う...


構造的弱者同士の自助連帯をエモーショナル(絆と愛)に描きつつ、結果としてその連帯ですらも、構造(即ち、彼らを弱者たらしめた制度そのもの)によって瓦解させられていく。その一連の過程を丁寧に描く事で監督自身が受け手に伝えたいメッセージは結果的にかなり抗(反)体制的である。(だからこそカンヌ/パルムドール受賞になったのだと思う)
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