きちゆ

万引き家族のきちゆのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.8

きっとみんなが信じる正しいことは、正しいんだと思い込んでることは、世界で生きる誰かを傷つけてる。
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どうして、子供に万引きなんて教えるの。
どうして、僕を拾ったの。
どうして、お金をもらってたの。
自分がこれ以上傷つかないように生きる彼らは
歪な形ではまってしまった6人のピースは
そこに正しい愛なんか存在しなくても
きれいに合わさってしまう。
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正しくないとわかっていても
心が求めてしまう場所。
自分が傷つかないように
これ以上苦しまなくて済むように
誰かの傷を癒すことで
誰かの苦しみと生きることで
今日を生きていけた。
そんな6人を間違ってるなんて言えない。
正しい愛の形なんかじゃない。
でもそれはただの理想でしかなくて
愛を願っているだけじゃ生きられなかった。
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苦しくて、苦しくて、苦しかった。
もうこれ以上傷つけないで、そう願った。
でもきっとこの世界で明日を生きるには
彼らはすでに傷つきすぎてる。
私は観るべきじゃなかった。
理想と幸せの中で生きる普通の人が見て
可哀想と悲しむべき映画だった。
きちゆ

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