いやもう見事としか言いようがない。
このキャストを揃えただけでも素晴らしいのに、各々ポテンシャルを十二分に発揮しててさ。
それでいて荒れていない、なんて。
安藤サクラはもうなんかすごい。すごいとしか言えない。
松岡茉優さては天才だな?知ってた。
リリーさんも樹木希林も盤石すぎるし、よくこのバランスで成り立ってるな〜おそろしい。
あの男の子はデビューの時の柳楽くんを彷彿とさすね。りんちゃんの佇まいとかもね。あんなの狙ってできるもんなんだろか?
「こういうのは順番だから」「拾ったんです」
何気ない感じで配置されてる台詞のひとつひとつが刺さるな…
安藤サクラの白眉のロングカットにベルベットボイスで切りつける池脇さん、あのシーンの緊張感がすごい。
細野さんの音楽完璧だし。
外の世界のロジックに晒されてしまえば、たしかにいびつで悪ではある。けど、金だろうが情だろうが利害だろうが、そのどれも含めて当人たちにはたしかに絆だったのだろうし、外のものには絶対に理解できない。そういうわけのわからない業のようなものってあるよね。
終始、野良猫みたいに見えていたけど、あそこにいたのはみんな寄る辺ない人たちで、その集合体を言葉に落とし込むなら「家族」と呼ぶしかないのだろうな。
翔太でありサオリであり、自己投影を匂わせる名前の持つ意味をね、考えるとかなり切ないわ。
ここでは未来も解も救いも描かれていなくて、あるのはただ「場」だけだったように感じるんだけど、それが必要なこともあるよねにんげんだもの。