公開からだいぶ経ちましたが、2回鑑賞したので、記録のために。
やっぱり、素晴らしい映画でした。
「家族」に関する映画は単純に観れない私ですが、この映画の「家族」はそもそも「普通」ではない。だからこそ、「家族」である以前に各々が一人の「人間」としてどういう人生を歩んできたのかを感じさせてくれた事が、かなりの好感触でした。
中盤の安藤さん演じる「信代さん」が連れてきてしまった女の子を抱きしめるシーンは、その子と「信代さん」の境遇を同時に描いていて、もう涙腺が……(笑)
2回目以降だと、リリーさん演じる「治さん」がビニール袋をリフティングするシーンはその後の展開を知っていると味わい深いものがありました。
他にも松岡茉優さん演じる「亜紀さん」、樹木希林さんの「初枝おばあちゃん」もバイト先のやり取りとか、途中で出てくる2人に関係する「ある場所」との絡みとかは、痛々しくてたまりません。
それらを演じる役者陣は漏れずに素晴らしかったです!
そして、忘れてならないのが子ども達。是枝監督の映画ではもう言わずもがなですね(笑)。本当に凄すぎです(汗)。
そんな「普通」じゃない彼ら彼女らを描くこの映画は「家族」を描いていないかと言うと、そんなことはないと思います。
決して綺麗な事ばかりでない、褒められたものじゃない、個々人としての「都合」とその押し付け合い。
その先にある「この人と一緒にいたい」という欲、「この人にこんなことをしてあげたい」という思いやりなど。
そうしたものの集積の上に立つ性別世代を超えた「人と人とのつながり」の形態。それに名前をつけるなら…?
細かなディテールに考察を向けるだけでも良し、役者の演技に惚れ惚れするも良し。損する映画ではないと思います!
是非に観てみてください!