Misa

万引き家族のMisaのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.8
とても、よかった。

前半は、映像で見せられる。
貧乏で、万引きしながらだけど、それなりに楽しく「家族」してる姿。

後半は、言葉で語られる。
家族以外の人が浴びせてくる言葉。
観ている私たちは、言葉になった事実を聞いて、「違う、そうじゃないんだ」と呟く。
言葉にすると、いつの間にか事実がねじれ、違うものになってしまうことに気づき、心が痛む。
特に警察が畳み掛ける言葉には、「違う!」と叫びたくなる。
ただ、それと同時に、どんなに言葉を尽くしても現実と異なって聞こえてしまうだろうことに気づく。
そして、どうせ伝わらないと諦める。


言葉にできないものを見せてくれる映画が好きだと思っていたが、
言葉にできないことを見せてくれた映画は初めてだった。


「捨てたんじゃない。拾ったの。」
「…なんなんでしょうね」


安藤サクラの発する言葉の強さに驚いた。
Misa

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