Guy

万引き家族のGuyのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.7
固定観念でベタベタに塗り固められた幸せの基準で測る大衆の愚かしさとそうする事が当たり前になってるこの世の中。
何で生きてるだけでお金を払わなきゃいけないの?そもそもお金って何なの。
捻じ曲がった発展国の狂気を叫ぶ彼らの哲学とそれでもやっぱり敵わないマニュアル人間社会のシステム。
煙たがれる存在でありながら確かな愛を知っている彼らは誰よりも強い。
こんな世の中でもせめて愛さえあれば良いと信じていたい。
遊びながら喋りながら鍋も付き合ってお風呂も一緒に入って、見えない花火もあの雨の日のセックスも。
笑いあって抱きしめあってこんな夢の日々を忘れる訳がない。
常識が何だよ。
正義?道徳?何だよそれ。
綺麗事抜かしてる阿保は必死になって生きたこと無いでしょ。
必死になって人を愛した事、本気で守ろうと思ったこと、本気で守って欲しいと思ったこと無いでしょ。
愛だけじゃどうにもならないなんて虚しいこと考えたくも無いよ。
忘れてたはずの薄汚い現実から目を背けられずに東京のスモッグがまた日を暮らせる。
都会に住む人間たちは今日も金のためにこの歪なシステムを疑うことすら無く機械的に働き続ける。
背景に見える彼らの絆はあえて詳しく語られないからこそ想像力を掻き立てられる。
観たものの感覚を研ぎ澄ませてくれる傑作。
頼りない親父と作った雪だるまはどこか不恰好で。
でもあの娘の信じた確かな気持ちはきっと何かを変えるだろう。
R.I.P Grandma.