万引き家族のpapicoのネタバレレビュー・内容・結末

受賞を受けての凱旋公演にて鑑賞。
予告などでストーリーは大体知っていたが、重いテーマの映画は観るのに気合いが要る。
観終わった後に気持ちの整理がつかず、引きずってしまうから。

安藤サクラの演技力は文句なしに素晴らしい。
子役の表情もいい。拾われた女の子が最初無表情な顔、懐いて心許してからのお兄ちゃんと楽しそうに遊ぶ姿、最後のまた元の環境に戻された後の表情、そのギャップに心が痛む。
お兄ちゃんの万引きをする事の葛藤と、見かける同年代の子と自分の差に思い羨む気持ち。偽物の家族の中で、父さん役、お母さん役を好きな気持ちと、でも自分の環境を憎むがあったのだと思う。施設に入り普通に学校に行けるようになったお兄ちゃんは前の生活との決別なのだろうか、最後はお父さんを捨てたのか。
好みの問題だが、崩壊した家族の最後をもう少し撮って欲しかった。少しでも明るい未来を暗示させて欲しかった。

心を揺さぶる素晴らしい映画である事に間違いない。観終わった後、せつなくてたまらなくなる。