私は血縁のない家族をテーマにした作品が好きだが、その中でも非常に胸に迫るものがある作品だった。
感動的な演出が盛り込まれた作品や、血縁がある家族、親子の物語も好きだが、
この淡々とした物語の中に、爆弾のような秘密が隠されていて、しかしそれが絆と愛を織りなしているなんていったいどんな才能と感性ならこんな作品を生み出せるのだろう。
終盤、警察によって「家族」が解体され、彼らが何者であったかが問い詰められた時、偽物の家族であることを突きつけてくる常識や正義が憎かった。
物事は常識や規範、正義とは異なったところに真実を隠しているのだと教えてくれた。
ビー玉を数えるりんの姿が、真実を教えてくれる。
