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万引き家族のTMKのネタバレレビュー・内容・結末

万引き家族(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

テーマは重いけど意外にもスッと見られたのは、役者の素晴らしさと、是枝監督の手腕なんだろうなと思った。
子役へ台本は渡さず口頭で説明してその場でセリフを与える手法は相変わらず今回もやっていたようで、子役が本当にリアルで素晴らしかった。翔太の目線で物事が進むことが多く、主軸といいか本当の主人公は彼なのではと思った。彼の成長や心の機微のよって物語が展開されていったから。ただイケメンなだけじゃなくてすごく表情が良かったのでこれからも期待の役者さん。
そして是枝監督の手腕が光ったのは特に最後の尋問シーン、安藤サクラのセリフは全部アドリブだというのもさすが。子供にお母さんとよばれてたのかと聞かれ涙が溢れて止まらなくなる。出産後の復帰作だということで、実際の母親としての気持ちも反映されていた表情やセリフだったんだろうな、と。
海のシーンがクランクインで、樹木希林さんの聞こえないセリフもアドリブで、それがこの作品の方向性を決めたっていうのもすごいな、、本当に素晴らしい役者さんだしいろんな人に多大なる影響やインスピレーションを与えた人なんだと。是枝監督の作品は樹木希林さんが常連で、印象的なシーンもとても多いので、もっと見たかったなとこの作品を見て改めて思った。

ワンシーンだけ出てくる柄本明さん、池松壮亮さんも素晴らしかった。

安藤サクラの同僚役の女性たちもすごく良かったし、なんか本当に出てくる役者みんなすごくて
それはやっぱり是枝監督だからなんだろうなと。

この作品を地上波で流したことにもすごく意味があるし、改めて家族とは、絆とは、幸せとは、正義とは、を問われた。答えは出なかったけどそれでいい気もする。考えることに意味があるんだと。

やっぱり是枝監督の作品好きだなと思った。
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