Hoshiduru

万引き家族のHoshiduruのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.1
血の繋がりや、無償の愛を信じられる人は、とても、とても優しくて、美しくて、恵まれた人間なのだと思う。
私は恵まれた世界にいる。I don’t believe in free love.って、まわりの皆は思わないのかな。愛の不在を信じないと、生きられない世界ってあるんだよ。

これは良いことです。こうすべきです。これは悪いことです。いっぱい教えられてきた。でも、良いことが出来ないときがある。お金がなかったり、時間がなかったり、そう、とにかく余裕がなくて、ごめんなさい。って思いながら、私も助けてほしい、っていう、この感情も含めて、忘れようとする。

疑っちゃだめかな、まっすぐ笑顔で綺麗に生きなきゃだめかな、欲で繋がっちゃだめかな、恵まれてたら、美しくならなきゃ、だめかな
なんかもう疲れちゃって、それに気付かされた。
松岡茉優をずーっと目で追ってたのは、彼女が好きだからだと思ってたけれど、彼女が1番、なんか、近いところにいたからだった。

彼らをどうすることもできないし、私もどうされることもできないし、世の中は繊細じゃない、こんなに歪んだ人間はね、愛で救うことなんてできないの。お金でも救えないの。お金で救えないことは、みんな知ってて、ほんとは愛が欲しいんだけど、怖いから、お金でいいの、お金で、満足できないけど、満足したふりをして生きていくの。

また彼らを見逃すしかないんだな、と思った。『誰も知らない』で求めてた救いが、現れたと思ってた。救われなかった。あ、それって救いじゃないんだ、って、その時知った。 ごめんなさい。思考を停止してしまって、簡単に泣くことで終わらせようとして、ごめんなさい。逃げてます。
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