監督は「三度目の殺人」の是枝裕和。主演は「美しい星」のリリー・フランキーで、他に「百円の恋」の安藤サクラ、「勝手にふるえてろ」の松岡茉優、「セトウツミ」の池松壮亮、「日々是好日」の樹木希林などが出演。
治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は万引きを終えた帰り道で、寒さに震えるじゅり(佐々木みゆ)を見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代(安藤サクラ)は、傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。信代の妹の亜紀(松岡茉優)を含めた一家は、初枝(樹木希林)の年金を頼りに生活していたが……。
ずっと観たかったけど機会を逃して観れていなくて、やっと観ることができた。
毎作品で家族をテーマにした作品を作る是枝監督。
今回の家族は特別特殊な家族で、滅多にいないであろう家族を描いている。
ほのぼのとした序盤から、だんだんと観ている側の心に迫ってくる展開。
BGMを全然使わない見せ方も印象的。
各役者の演技が素晴らしい。樹木希林は言わずもがなって感じだけど、全員素晴らしくて、この役者たちの演技がなかったらここまで評価されていなそう。中でも印象に残ったのは池松壮亮。全然でてこないのにインパクトがある演技だった。あと松岡茉優が可愛いだけではなく、表情や自然な演技が良かった。
貧困に陥っている人は日本には沢山いて、日本ではあまり焦点を当てられてはいないけど、深刻な社会問題の1つ。それによって子供たちが犠牲になっている現状もある。その他にも社会問題がたっぷり詰まっていて、強烈な問題提起だった。
この映画を観てやるせない気持ちになったし、考えることはいっぱいある。
この家族の大人たちがしていることは全然正しくないし、なんなら間違っているけど、子供への愛確かにあった。
血縁関係はなくても信頼や連帯感があれば家族というものは成立するのかもしれない。実際この映画の登場人物達は血縁関係にある家族とは上手くいかず、家族にはなれていなかった。
でも信頼や連帯感だけでは足りないということもこの映画では描かれている。そんな綺麗事だけでは生きてはいけないということも分からせてくるのがいい。
日本の社会問題について再考させられる映画。