ハル

万引き家族のハルのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.8
日本の制度に対する疑問を映画というコンテンツを使って問い掛けている作品。
各役者はそれぞれ一線で活躍している方々であり、さすがといった印象を受けた。

リリー・フランキー、安藤サクラのイレギュラーな生活を普遍的に見せてしまう素晴らしさ。
加えて、樹木希林の見事な所作や佇まい。こちらもこの生活が当たり前のように振る舞い存在している様がお見事。松岡茉優のお芝居もこれまでにない見せ方で新しい彼女を観られた気分。困難な役柄にチャレンジしていく心意気はとても魅力的に映った。

是枝監督は『三度めの殺人』では司法制度に対する問い掛けを行い、この作品においても制度上、合理性を欠く点を明確に表現している。
簡単に解決する問題ではない部分、深いテーマにつき各自考えさせられる作風となっているため、心情を強く揺さぶられる名作。
正しい行い、人を救うって結局何なんだろう…と、思考の迷路にハマってしまうな。
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