是枝監督が描く日本の生活は美しい
写真を撮るようになってから、画面の構成、光、影、奥行き、フローなどに目がいくようになって、楽しみ方が増えた
やっぱりいいシーンにはいい光があって、劇的な瞬間を演出していた。
外から見れば、ただの散らかった汚い部屋に見えるのだけれど、是枝監督の描く世界の中でそれらは生活の尊さ、儚さ、愛しさを伝える存在になる。
安藤サクラの迫力が凄すぎた。
芯の強さが伝わってくる。是枝監督は、あんな泣き方をする演技ができるのは見たことがないと絶賛していた。
池松壮亮がほんの一瞬出てきたが、(ものの2分くらい)思わず涙が出そうになるくらいの迫力あるシーンだった
松岡茉優はわざとらしくなくて、すごいリアルだった
そしてなんといってもリリーフランキーが発するオーラというものの凄さ
彼が演じると、その役のこれまでの半生が痛いほどに伝わってくる。そのメッセージは彼の一挙手一投足のみならず、彼を包むオーラとして作品全体に染み渡っていた。
日本の夏の風景は美しいなあ
安藤サクラとリリーフランキーが汗かきながら素麺を啜っていた夏のシーンが、最高に日本らしくて、とにかく美しかった
家族というもののあり方は、ほんとにそれぞれで、幸福というものは他人と比較しているうちは手に入らないのだなあと
トーンは暗めだが、個人的には暖かさを感じられるいい作品だった