ぴよまろ

万引き家族のぴよまろのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.2
是枝裕和脚本監督作品。
万引きという犯罪でつながった、歪だけれども一つの家族の姿を描いた物語。

現代社会が抱える多くの問題を詰め込めるだけ詰め込んだ映画で、物語はかなり重いものですが、映画としての面白さの完成度はかなり高いです。貧困や虐待などの社会問題を、かなり危ういバランスにいる「家族」を通して、どこまでもリアルに表現しています。

一つ一つのセリフが重く突き刺さり、彼らがやっていることに賛同はできないけど、否定もできず、同情するのも何か違う、という複雑な感情にさせられます。

そして、役者陣の演技がすごい。それぞれが持っている事情(多くは人との関わりに飢えている寂しさ)を持ちながら、歪ながらも満たされているこの「家族」の姿を、見事に演じていました。特に最後の柴田信代(安藤サクラ)の演技には鳥肌。

余談ですが、パッケージの登場人物たちが心底楽しそうなのが、映画を観た後だと、かなりえぐってきます。
ぴよまろ

ぴよまろ