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万引き家族のBeSiのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.8
またしても是枝裕和監督の世界に魅了された。東京にそびえる高層マンションの谷間にひっそりと建つ家で暮らす5人家族。彼らは「万引き」をすることで生計を立てていた。しかし冬のある日、近所の団地の廊下に寒さに堪えている女の子ゆりを見かねた治が引き取ったことでこの家族の真実が明らかになっていく。是枝裕和監督の作る映画でやっぱり感心するのは、極限までリアリティを引き出す為に駆使する撮影方法や出演陣の演技の秀逸さだ。リリー・フランキーはもちろんのこと、安藤サクラや樹木希林の鳥肌が立つほどに自然な演技に衝撃を受けた。城桧吏くんや佐々木みゆちゃんも驚異の新人と言っても過言ではないほどだ。松岡茉優演じる亜紀が祖母の初枝に色々と物事を教えるような細かい場面にも是枝監督のこだわりが見える。そして、この今までに無いようなストーリー。本当は血縁の無い人々が、ひとつの「家族」として生きる事の苦悩が痛々しく描かれていて、治と祥太がバス停で別れるシーンは胸が張り裂けそうだった。「家族」とはなんだろう。「愛」とはなんだろう。そんなことを考えさせられる映画。パルム・ドール受賞も納得のいく是枝裕和監督の最高傑作。