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万引き家族のsumiccoのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
3.8
愛の定義は
人によって全然違うものだけれど。

「あの人、みんなを愛してたと思う?」って
もしも尋ねて回ることができたら
「うん」って
みんなに頷かれるんじゃないかなあ…
たとえ迷ったとしても。

…と思える人が出てきます。


良いか、悪いか。
正しいか、間違っているか。
あったかいか、そうでないか。

この3つは
必ずしも連動しないんだよ、ということを
描写で伝えてくる映画です。


顔をしかめて
感心して
呆れて
ほっこりして。

ひどいのに良かったり
幸せそうなのにサイテーだったりするので
観ているこちらの感情が違和感で疲れます。
自然と浮かび上がる気持ちを
いちいち自分で即座に打ち消す、の繰り返し。
心と頭は本当に厄介な関係だ(笑)

でも彼らだって
社会から完全には孤立できてはいないから
どんなに"その日暮らし"を満喫したって
ふとした瞬間に過ぎるんだろうなあ。

「これでいいのか」って。


正しかったか、間違っていたか、は
きっと問うだけ無駄な気がします。
物差しを一本しか持たない人でもない限り、
その答えは揺れ続けると思うから。

ただひとつ思うのは
あの涙を
くだらない感傷だと笑う人がいたら
友だちには、なりたくないな(笑)
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