家族じゃない家族。誰かが声を荒らげたり、誰かの心が壊れるところが見せ場のようにフィーチャーされたり、そういうよくある物語の派手さみたいなものが無くて、物凄く切なる想いを込めてこの人たち家族の暮らしを私たちの目に映してくれたのが分かる。傷跡を持つ人にしか分からない痛みがある。子役のお二人もほかの俳優陣も素晴らしい演技だった。感じたこととか圧倒された台詞とか仕草とか視線の動きとか声色とか、全部細かく映像で思い出せるのに言葉に出来ない。この家族の在り方を認めろとは言えないし万引きは犯罪なんだけど、例えばニュースで切り取るスポットライトをあてた事象があればその影にあるものにこそ私たちは目を向けなきゃいけない。そして誰の居場所もその影になりうるんだと思う。
って思ったんだけど冷静になったらね
職場にリリーさんみたいな人がいたらきっと「なんか家族なんだかそうじゃないんだか分かんないのよ」って言ってるし事情を知ったとて何にも出来ないと思う。6人を養ってあげることも出来ないし、児相に子供を預けたところで最善じゃない。
作品観た直後に現実世界を俯瞰した気になるのやめた方がいいね私。
なんで自分はこんなに映画観てんのに誰かにちゃんと届く文章が書けないんだろう日本人なのに。
