万引き家族の作品情報・感想・評価 - 845ページ目

万引き家族2018年製作の映画)

上映日:2018年06月08日

製作国:

上映時間:120分

ジャンル:

あらすじ

「万引き家族」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

あんまり前情報は入れずにきたけれども、CMとかレビューとかでまぁ想像はつくかなって気持ちで向かったら度肝を抜かれた。きっとふとしたきっかけでバラバラになるとは思っていたけれど、そこに至るまでの過程が素晴らしく、バラバラになった後の切なさ(うまく表現できない)がものすごかった。

本名じゅりちゃんは、あの後どうなっちゃうのかな、どんな末路を辿るのかな、なんて邪推してしまう。それならあの家族といた方がよかったのでは、でも現代日本であのような生き方をするとふとしたきっかけで崩れてしまうのは理解できるし……。本名じゅりちゃんの挙動ひとつひとつがあの家族と過ごして得たものというのが痛いほど伝わってきて、最後の拾われた日のように身を乗り出すシーンが苦しい。
源氏名さやかちゃんだって、おばあちゃんに愛されていたようにしか見えない。足の温度で嫌なことがあったとわかるなんてさ、愛がなきゃわからないよ。でもさ、愛されていたとしても、お金のためだったとしても、どちらにせよ思い出が呪いのように付きまとうのかな。
子どもを産まなきゃ母親になれないなんて、とんでもない暴力で悔しくて泣きそうになった。きっと信代の自白を促すための暴力であって、あの女は本気でそう思って言ったわけではないのだろうけど(そう信じたい……)、あまりにも殺傷能力が高すぎた。わたしには信代が母親に見えた、でも一生続けられる関係じゃないことも、歪みが生じて当然なこともわかる、解るけどやりきれない。
現実で見聞きするニュースの裏側にはこんな事情や思い出が隠れているのかもしれない、と強く感じた。まぁそんな事情を知ったところで何もできないけど。

内容に関する思いとは別ベクトルで、あまりにも名優ばかりで演技力のぶつかり合い……!!!という気持ちで感動してしまった。メインキャスト以外誰が出ているか把握していなかったので、突然の柄本明、突然の(以下略)がありすぎてびびった、夫の遺影が山崎努な気がしてならない、ここまで書いて遺影の男の入れ歯を思い出し、箱の中の入れ歯の下に隠された夫の後妻の息子から貰ったと思われるお金を思い出す、あの入れ歯ってもしかして……!?
なんか思い返すたびにあれ!?!?となる、あまりにも緻密に作り上げられすぎでしょ、という気持ち。じぃっと目と耳を凝らすと全てが繋がっているのだろうな、何回も観に行って、ぜんぶつかみとりたい。
部屋のとんでもない経年劣化具合や、長年溜め込んだであろう食器や家具のリアリティ、部屋着の着古した感(松岡茉優のエセジェラピケはリアルに着古したとしか思えない)まで完璧、物語はおそろしく緻密に丁寧に組み立てられ、音楽も完璧(心地よいトレモロや不安を煽るなんとも言えない音が良すぎて感動したところで『音楽・細野晴臣』が目に飛び込んできてそりゃあ最高で当然だよな!!!!と思った)、なんだこの非の打ち所のない完璧な映画は!!!美しすぎて感動した!!!こんな映画に出会ったのは初めてだ。
woos

woosの感想・評価

4.2
TOHOシネマズ新宿にて鑑賞。
2018年新作劇場鑑賞54作目。
客席は9割くらい。
テーマ「本当にある家族」
今週のウォッチ作品。

[全体として]
この言い方は不適切な言い方だが、日本の底辺家庭のお話。ただしこれは擬似家族であって、社会から、家庭から爪弾きされた人々が寄り添って生きているストーリーだ。
ケン・ローチ監督の作品のテーマと同じような感じだと思った人も多いかも。
そして、共通するのが虐げるものも、虐げられるものも正しくないと言うことだと思う。子供に罪は無いが。。
奇しくもつい最近、幼児を虐待死させてしまった親が逮捕されたニュースがあったが、この作品でもそれと似たケースがあって何とかならないのかと思ってしまう。
そういう親は少しでもこう言う作品を観て我に返って欲しい。
それとは別に、友人に腹違いの兄弟がいるが、普通の兄弟より何故か絆が強いように思う。特別な環境で繋がれた人間関係のがより強固になるんだろうか?

[良かったところ]
是枝監督の映画はいつも子供が名演技をするが、この映画でも御多分にもれず、素晴らしい。
ムービーウォッチメンの「フロリダプロジェクト評」で宇多丸さんが言っていた、子供時代の終わりを子供が実感するというシーンがこの映画にもあって、それが擬似息子祥太くんが演じていたのがとても印象的だった。
もちろん演じている人たち全て素晴らしかった。
細野晴臣氏の音楽も素晴らしく、不穏な音楽や、逆に美しく楽しい場面全てを彩っていた。

[気になったところ]
この映画内でのバランスはこれでいいが、この家族がそれぞれどんな人生を歩んで来たのかや、これからどうなるのかが気になるが、それは観た人が考えればいいか。

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このタイミングで劇場で観るべきです。
オススメです!
morisa

morisaの感想・評価

4.0
出演者全員の雰囲気がすごくて飲み込まれる。
邦画ならではの安っぽさや芸能人宣伝PV臭もなく、力強い邦画が見れて満足。

話や映像は暗いし人間の闇を見てる感じなのに魅力的に伝わってくるのはすごい
安藤サクラ個人的にすごく良かったと思います。
後半の池脇千鶴と2人のシーンが一番スキ


俳優の演技もとっても素晴らしい作品だが
映像がすごく良かった。
家の貧しい感じの汚れ具合とか凄く個人的にリアルな感じで凄いと思った。

もっかい劇場で見たい。
Yangping

Yangpingの感想・評価

3.8
ちょっと極端な感じがした。救いがないのはあまり好みではない。とはいえ、家族模様、人間模様は逸品。
Hirona

Hironaの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

取調べのときの警察官たちは正しいことを言っているはずなのに、悪者に見えてしまうマジック。
警察官の「でも産まなきゃなれないでしょ」には本気でイラッとした。何を言ってるんだこの人はって本気で思った。
安藤サクラの泣きの演技すごい。実際本当にあの泣き方になると思う。

「自分で選んだ方が強い」っていう台詞があったけど、祥太は捕まることを「自分で選んだ」のかな。あの子は強い!りんにも強く生きてほしいね!
これは言葉でどうこう表現できるものじゃないのでは??犯罪を肯定するわけじゃないけど(肯定したくはなった)間違いなくそこには家族があって絆がありました

このレビューはネタバレを含みます

家族とは何か。また、血の繋がりとは何か。幸せとは何か。皆が求めるものは、やはり共通して居場所なのかなと思ったり(どうでもいいことだが私の学生時代の論文テーマ)。メッセージは受け取ったが、得てして永遠のテーマでもある。
客観的には嘘だらけの家族、さらには万引きやら誘拐やらで成り立つという、社会的に受け入れ難い家族像であるが故に、より俳優陣のリアルな家族描写が際立ったように思う。
是枝監督のたくさんのヒントについていききれなかったことが心残り。読唇術を身につけて次回作には臨みたい。
yoko

yokoの感想・評価

3.0
うーむ…もやもやした…

人間関係が複雑…

パルムドール獲ったならばと期待して観たけれど、スッキリ終わる単純な映画(言い方悪いけど…要するに分かりやすい映画)が好きな私にとっては、ちょっと…

起承転結が弱く、緩やかに進んでいくので若干長く感じた

なんだか、現実って冷たくて寂しいものなのだなぁと考えさせられた

このレビューはネタバレを含みます

万引きしながら生活している家族のハッピーな物語かと思いきや、想像の斜め上をいくシリアスな場面もあり、最後には「家族とは何か?」を考えてさせてくれるとても深い映画でした。


私たちが今生きているこの近代社会は、「家族」という名の揺るぎない神話がある。もちろんそれは、国家が成り立つ時に、あるいはその少し前に、血縁関係を元に生活を営む最小の単位を家族と呼びましょう、と誰それが取り決めただけのものである。なんだけど、そんなことは普通の家庭で育ったお気楽な人間は考えもしないわけで、「家族とは、血の繋がった人たちが一緒に暮らし、それはそれは幸せ」であることが大前提になっている。もはやそこには疑いの余地は皆無なのです。(実際には、世界の民族には、血縁関係なんぞ関係なく生活を共にする人たちはたくさんいるし、子どもの親がわからないなんてこともザラである。)


しかし、この映画はそんな当たり前の事実を根幹から揺さぶってくれました。テンポもとても良くストーリーが展開されていくので、2時間があっという間でした。


映画の中では結局、血縁関係ありきの「家族」が正しくて、そうではない「万引き家族」は、権力に、国家に、否定され法的にも処罰されてしまいます。

でも、私たちがニュースで知る事実なんてほんの結末だけで、その結末だって一部始終でしかなくて、いや、その一部始終だって部外者の色メガネをかけた状態での事実認識でしかないのだ。

正しいか、正しくないか

は、いつも権力だけが決めることができるのであって、それを前にしたとき、私たちの正義感なんてものは一切通用しないのである。


その悔しさ、やり切れなさが、さくらさんの演技に凝縮されていました。


役者さんたちに関しては、リリーフランキーの「何もしない」演技が本当に実在するそこらのダメ親父みたいだったし、さくらさんのカメラ正面ガン置きの取り調べシーンは一緒に涙してしまうくらい感動的だったし、じゅりちゃん役の子役の子はあの歳にしてすごい演技の幅だった。


つまり、脚本も役者さんの演技も本当に素晴らしかったです。さすがカンヌ…!


二点気になる点が…。観賞中にすごくどうでも良いことが頭をよぎった。それは、猛暑の中、パチンコ店の駐車場に子どもを置いたままにするとすげー危ないということなんだけど、一体全体海外の鑑賞者にはそのことはちゃんと伝わったのだろうか…?本当、どうでもいい。笑

もう一点は、最後、じゅりちゃんが「あっ」という顔をしたシーン。すぐにエンドロールとなりましたが、あのときじゅりちゃんが目にしたものはお父さん(リリーフランキー)ではなかったのだろうか?と想像しています。その直前、リリー父ちゃんは可愛がってきた仮息子に「棄てられた」状態で、きっと死ぬほど意気消沈していたでしょうから。「万引き家族」を離れて、社会と交わることで変わってしまった息子とは違い、リリー父ちゃんに引き取られる前と同じく悲惨な状況にあるはずのじゅりちゃんならば、変わらぬ純朴な心で父ちゃんに向き合ってくれるはず…!と思ったのではないでしょうか…。そう考えると切ない…