足拭き猫

村田朋泰特集ー夢の記憶装置の足拭き猫のレビュー・感想・評価

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コマ撮りアニメといえばほのぼのした話や可愛らしいものしか観たことがなくて、これはかなり衝撃。人形アニメで人生の前を通り過ぎていく事象へのせつなさや地球誕生の様子、現実の生活の厳しさを感じ取ることになるとは思わず。きっと村田朋泰監督は子供のまま大きくなったに違いないくらい自分が求める世界を追求している。途中で筋を追うのは止めて、ひたすら感じて観ることの快感!

上映順に
「家族デッキ」シリーズ「第1話」「第2話」
昭和の匂いのする作品。家の中の陰影が印象的。ひっそり暮らす座敷わらし的な七福神とか猫が愛おしい。

「路」シリーズのうち2作「朱の路」「白の路」
失くしてしまった愛するものへの祈りと憧れ。「銀河鉄道の夜」的な巡礼。初期の作品ということで造形が少し雑な感じがするも「白の路」のラストで涙腺崩壊。

「森のレシオ」シリーズのうち「こうかんトリ」
ラブリーで可愛くてちょっとシュール。ひたすら角をかじられてしまうジャモン~!(笑)

「生と死にまつわる記憶の旅」シリーズ
「木ノ花ノ咲クヤ森」「天地」「松が枝を結び」
東日本大震災を描いた地球と人の壮大な物語。「木ノ花ノ咲クヤ森」の造作の美しさに目が奪われた。「松が枝を結び」は夢と絶望が交じり合った脳天がねじれる作品。