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ガンジスに還るのKUBOのレビュー・感想・評価

ガンジスに還る(2016年製作の映画)
3.8
10月6本目の試写会は「ガンジスに還る」。

若干24歳(撮影当時)の監督が撮ったとは、とても思えない、余韻の深い素晴らしい作品だった。

突然「死期」を悟った父が「解脱」の地 バラナシへ行くと言い出す。一人で行かせるのが忍びない息子はいっしょに行くことにするが…。

ガンジス河のほとりにあるバラナシには「解脱」を待つための「Hotel Salvation」(原題)がある。胡散臭い僧侶が「満室でしたが、今日ひと部屋空きが出ました」「15日以上の滞在はできません」と言い、父と息子はその施設に滞在することになる。

彼らはガンジス河の水を「聖水」と呼んで病人に飲ませたりしているが、汲んでる横で洗濯してたりする。大丈夫なのか?インド人?

高度成長期でIT産業と言えばインドみたいになってはいても、その死生観は同じアジアとは言っても我々日本人にも摩訶不思議だ。

ただ、その死期を悟った父と息子、施設の人たちとのひと時の交流が、なんとも言えない味わいのある映画になっている。

高齢で身体が弱ってきた父を持つ身としては、心に染み入る作品であった。
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