紅孔雀

ガンジスに還るの紅孔雀のレビュー・感想・評価

ガンジスに還る(2016年製作の映画)
5.0
ガンジス河畔の「解脱の家」に、死を悟った父親ダヤと付き添いの息子ラジーブが辿り着く。ラジーブは、現代インドを象徴するIT会社に勤務。その最先端の仕事と、ゆったりとしたガンジスの流れの対比が印象的です。
かつて三島由紀夫(『暁の寺』)、遠藤周作(『深い河』)を魅了し、ビートルズ音楽に新しい転回(『ザ・ホワイト・アルバム』)をもたらしたインド❗️であります。そして映画は、聖地バラナシ(三島作品では「ベナレス」)で静かに死を迎える老人達を等身大に描き出します。ブティヤニ監督、弱冠27歳でこれだけの含蓄ある映画を撮れたのは、まさにガンジスの恵みなでしょうか。
印象に残る言葉が多いが、あえて1つ選ぶなら「解脱の家」の施設長の言葉を挙げたいーー「魂は自分を波だと思っている。でも突然、海だと気付く。それが解脱だ」う〜む、その深さに言葉を失う。もう何も言わずに「満点‼️」であります。
なお詳しい解説は、netfilmsさんのレビューをご参照下さい。実に過不足ない名評でした。
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