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アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語のayellowbirdのレビュー・感想・評価

3.4
トルストイの名作“アンナ・カレーニナ”をベースに日露戦争の要素を加え、アンナの死後をテーマに描かれたドラマ!
日露戦争がぼっ発した1904年。満州に軍医として赴いていたセルゲイ・カレーニンのもとに、負傷した大佐が運ばれてくる。その男は、かつて母アンナが愛したアレクセイ・ヴロンスキー。セルゲイの母は、幼いセルゲイと父を捨ててヴロンスキーのもとに走り、やがて自ら列車に身を投じて命を絶った。セルゲイは、かつてヴロンスキーを殺したいほど憎んでいたが、今は憎しみよりも、なぜ母は命を絶ったのか、その真相が知りたかった…。

これまで何度も映画化されたトルストイの文芸大作を、ヴロンスキーの独白の形で、新たに映画化。アンナとヴロンスキーはどのように惹かれ合い、そして別れることになったのか、その経緯がヴロンスキーの視点で描かれる。このため、初めはヴロンスキーの話を、やや感情的に聞いていたセルゲイが、ヴロンスキーが純粋にアンナを愛していたことを知り、次第に彼の話を理解するようになる所が面白い。
アンナ役のエリザベータ・ボヤルスカヤは、2012年の作品でアンナを演じたキーラ・ナイトレイのような華やかさはないが、凛とした美しさがあり、アンナの心の遷移を好演していたと思う。
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